Letter 3 【 手紙 】
お正月、皆様いかがお過ごしでしたか?
私は、しばし里帰りなどして両親や郷の友人に顔見せ・ご挨拶などしてきました。
新年を迎え、年賀状も身近な人から久しぶりの人までいろいろ届いていることでしょう。
私も、実家の方に私宛にとっても懐かしい人からの年賀状が届いていて、
あまりの懐かしさにとても嬉しく感動しました。
学生時代のバンドサークルの後輩。
よく私のソロライヴにも来てくれ、当時とても慕ってくれた彼女。
なんと、今同じ街に住んでいることもわかり嬉しかったです。
年賀状にメールアドレスなどが書かれていないところがまた
アナログ感の似合う彼女らしい感じがして、当時の彼女の面影を忍ばせました。
昔、サークルの連絡帳によくその後輩の文字を見ましたが、
その懐かし~い記憶が蘇ってきました。
そしてその文字を伝って声までもが思い出されるような気持ちにもなりました。
あれから随分年月が流れているけれど、今どうしているのだろう?
あれからどう生き、どういう大人になっただろう?
きっとお互いにそんなことを思っているのだろうと思います。
近々会えたらいいなぁ、連絡してみようと思っています。
今や、なんでもネット、メールの時代。
その人の筆跡で描かれたその人の気配や温度が滲む文字というものに
なかなか接する機会がとても少ない時代ですね。
手紙というものには、言葉に言い表せない魔法が潜んでいるように思います。
封筒の中に、便箋と一緒に、空気や香り、そして
言葉に言い表し切れない本当の想いが折りたたまれて届いてくるような、
そんな特別な力を感じます。
それは、メールなどでは決して届かない、摩訶不思議な力。
何気ない近況報告でもそんなところがあるけれど、
想いを一生懸命綴ったラヴレターなどはその至極のものですね。
手紙だからこそ伝わってくる、手紙でないと届かない、
そんな特別な想いがしたためられた魔法の紙・・・。
行間に滲む切なる想い・・・
本当はそこにこそ真実の想いがある。
それはとてもピアノ音楽に近いように思います。
本当の想いは言葉じゃないんだよなぁと思う。
もっともっと空気に滲むもの。
言葉にすることで死んでしまう、とても壊れやすい透明で儚い詩(うた)。
私はそれをなんとか届けたくて、音楽という透明な手紙を綴っている気がします。
本当の想いは、必ず伝わる。
共感してもらえるかどうかは別としても、
届けよう、伝えようとしたその一生懸命な想いだけは絶対に届くと思う。
心を揺さぶる、胸が熱くなる。
それは理屈じゃなく、また文章力や音楽の表現力の高さじゃない。
真実の想い、伝えようというひたむきな気持ち・・・
時間がかかっても遠回りしても、いつか必ず届くものと思う。
そして永遠に綴られ、時を越えて残るものと思います。
そんな音の手紙を綴り続けて行きたいなと思います。
手紙という文化は、特に日本ではすごく重要なものとして発展しました。
昔の人ほど、粋でまた素晴らしい「ふみ」を綴っていたような気がする。
素敵な素晴らしい文化だと思います。
何でも手軽にメールな時代ですが、大事にして守って行きたいものです。
これから大寒に向けて寒さも深まっていきますね。
風邪など気をつけてお過ごしくださいね。
新しい年のはじめに・・
(2010年 初空月 10日)
かしこ
日吉真澄
Photo by Masumi Hiyoshi 長野県白馬村。降り積もる雪に想いをこめて。雪の便箋に綴りたいのはどんな想いですか?